歯が浮いたような感じになったり、歯茎から出血も。「妊娠すると歯がボロボロになる」って言うけど、本当だな~。なんて気軽に考えていませんか?実はそれ、迷信なんだそうです。
本当の原因は、歯周病だったりします。
今日は、歯周病が妊婦さんへどんな影響を及ぼすのか?早産との関係や胎児への影響についてお伝えしたいと思います。
歯周病は妊婦にどんな影響がある?
妊娠すると、歯周病にかかりやすいと言われています。もともと歯周病の悪化には、女性ホルモンが大きく関係していることが分かっており、女性の方が歯周病にかかりやすいのです。
女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があり、妊娠すると女性ホルモンが大量に分泌されます。
エストロゲン→ある特定の歯周病菌の増殖を促す。プロゲステロン→炎症物質のひとつ「プロスタグランジン」が増える。
このことから「妊娠性歯肉炎」とも言われ少しの磨き残しなどがあるだけでも歯ぐきの血管が炎症を起こし、腫れやすくなります。この症状は妊婦さんの約50%以上にみられ、妊娠初期から感じる方も多いようです。
妊娠中は、つわりで歯ブラシを口に入れることもできない!と言う方もいると思いますが、女性ホルモンの分泌に加え、歯磨きがおろそかになり歯周病や虫歯にもなりやすい期間です。
ですが、妊娠中は歯医者さんに通うことや治療、薬の影響の心配から、少しの痛みなら我慢して「歯医者さんには、産後に行こう」と考える妊婦さんがとても多いのですが、この歯周病を放置すると胎児への影響も心配です。
歯周病の妊婦は早産になりやすい!?
歯周病は、脳梗塞の危険や心筋症、心筋梗塞、関節炎、腎炎、肺炎、糖尿病などの原因になることもあり、妊婦さんでも切迫早産や37週未満での出産など早産のリスクが高まることが分かっています。
その危険率は、たばこやアルコールよりもはるかに高く7.5倍!
通常、陣痛は上記の「プロスタグランジン」と言う子宮収縮作用のある物質の分泌が促され、一定量になると出産になります。ところが歯周病菌の一種が血液中に入ると、炎症によってサイトカインと言う物質が増え、このサイトカインがプロスタグランジンの分泌を促し子宮を収縮させて早産を引き起こしたり、胎盤を通じて直接 胎児の成長に影響を及ぼしていると考えられています。
妊婦が歯周病 胎児への影響は?
妊婦さんが歯周病の場合、低体重や未熟児で生まれる赤ちゃんもいます。2500g以下の低出生体重児を出産した人たちの中には、歯周病が進行している方がとても多かったと言う調査報告があります。
赤ちゃんの虫歯、歯周病予防は、お母さんのお腹の中にいる時からすでに始まっていると考えましょう。虫歯菌は、生後19週~31週で定着します。特に歯が生えそろう1歳7ヶ月から2歳あたりに感染すると虫歯の発症リスクは高くなると言われています。両親が使ったお箸やスプーンで赤ちゃんに食べ物を与えることで、赤ちゃんにも感染して虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
出産後、歯医者さんに通える余裕があれば別ですが、自分の体調が戻るまでの期間や赤ちゃんのお世話を考えるとなかなか歯医者さんに行く時間を取ることは難しくなります。歯医者さんの方針にもよりますが、基本的に妊娠中の歯の治療は、いつがダメと言う期間はなく安定期を中心に治療は可能です。
「産後に行こう」ではなく、早めに治療しておくことをおすすめします。
あとがき
妊娠性歯肉炎は、歯磨きで予防できます。特に歯ぐきの腫れや出血には、歯磨きが一番の治療だと言われています。つわりがひどい時は、歯ブラシをヘッドの小さいものにしたりデンタルリンスで口をゆすぐだけでも違います。
歯医者さんに行って相談すれば、歯ブラシの仕方も指導してもらえます。ぜひ、行ってみて下さいね。
関連記事
>>歯周病は歯磨きで予防!歯磨き粉や電動歯ブラシ デンタルリンスの効果は?
コメント