2015年夏ごろから発熱やせきなどに加え、手足の麻痺が起こる子供の症状が報告されています。去年はアメリカで1000人以上もの子供が感染し14人が亡くなっています。「謎のウイルス」とも呼ばれるエンテロウイルスD68型。
あまり聞きなれない「エンテロウイルスD68型」とは、どんな病気なのか見ていきたいと思います。
エンテロウイルスD68とは?
「エンテロウイルス」とは、腸内で増殖するウイルスの総称でおよそ100種類程度あると言われています。手足口病もこのエンテロウイルスが原因で起こる感染症です。
その中のひとつエンテロウイルスD68型は、乳幼児や子供が発症しやすく大人では症状が無かったり、軽く済む場合が多いようです。
エンテロウイルスD68の症状
ほとんど風邪と見分けが付かない厄介なウイルスなのですが、ぜんそくに似た症状、呼吸器系の症状がメインです。
特徴的なのは発熱や咳、鼻水などの症状の後に体がマヒを起こすということ。
ですが、このウイルスとマヒの関連性はまだよく分かっていません。
筋肉が弱くなり、脳神経機能に異常をきたしマヒが残ったり、手や足がマヒして動かなくなる急性弛緩性脊髄炎(きゅうせいしかんせいせきずいえん)に罹る子もいます。
一般的に急性弛緩性脊髄炎は後遺症やマヒが残る場合があると言われているので注意が必要です。
特にぜんそくの子はエンテロウイルスD68に かかりやすい傾向があると言われています。
エンテロウイルスD68の感染経路と予防法は?
のどや鼻に居て、インフルエンザと同じせきやくしゃみなどでうつる飛沫感染をします。
など、インフルエンザの予防法と同じです。
エンテロウイルス属はノロウイルスなどと同じくエンベロープを持たないウイルスです。消毒剤に対する抵抗力が非常に強く治療法や特効薬はありません。
今のところ出た症状に対する対症療法しかありませんので、手洗い・うがいを徹底させることが大切です。
あとがき
日本でも2010年、2013年に100人を超える子供がエンテロウイルスD68に感染したと報告されています。その中には重症化しマヒが残ってしまったケースも。今年の8月からさらに増え、21の都府県で発熱やせきなどの症状の後に47人もの子にマヒの症状が出ており流行が心配されています。
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